プロフィールのところには書ききれない、写 真の事に関して、コラム風に書かせて頂きます。但し、入力しながら書いている事もあり、文章がおかしいところもあります。

2006.10.31

何故、「京都の神輿」を撮るようになったのか

  

 2006年秋祭りシーズン中に、色んな方と話す度、「kengoさんは何故神輿を撮ろうと思ったのか」「神輿を撮るきっかけは?」等というお話を頂きます。

 元々のきっかけは……人間を撮りたかったからだと思います。そして、祭撮影のはじめは「祇園祭」でした。でも数年前に始めた時は、どちらかというと、駒形提灯等を撮っていた記憶があります。

 今の様な神輿を撮るきっかけを作ったのは、伏見区・田中神社横大路郷の還幸祭を撮影する事になったからです。高校時代の同級生が青年会に入っていた為、ひょっとした縁から神輿の巡行を撮影する事になりました。

 2004年の秋、EOS20Dを購入した際、御香宮祭・宝永祭(六孫王神社)を少しずつ撮影していたのですが、巡行の大部分を一緒に回り始めたのは、同年の與杼神社から。担ぎ手さんに声をかけ、子供達に声をかけて撮影させて貰いました。

 2005年春から、本格的に神輿を撮る事になりました。松尾祭・おいでの、桂川渡御から撮影していきました。
その後、数週間後に地元羽束師の祭を撮ろうと思い、 神社へ行って、青年会の役員に声をかけると、幼なじみの弟でした。そこから青年会長を紹介され、その日はお祭り自体を撮らせて貰いました。また羽束師の青年会が、松尾の郡に寄っているので、その縁から、次の週の松尾祭・おかえりは、殆どの巡行経路を一緒に撮らせて貰いました。ここから松尾・郡との縁が始まっています。

2006.11.6

神輿撮影と「縁」

  

神輿は神様を乗せて、氏子区域を渡御する神事であるが、神輿を撮影させて頂いて、人との「縁」というのを、凄く感じる。
ある担ぎ手が、違う担ぎ手と親戚だったり、同級生だったり、そういう事も少なくない。僕の同級生数人が、神輿を担いでいるというのは、上のコラムに書いた通 りである。
そして、ふと町中で、それもお互いが出会いそうにないところで、ふと出会ったりする(これは、本当に凄い偶然だが、そういう事が重なると、本当に何かの「縁」)。

「京都の神輿は1000人くらいが回してるんで、狭い世界ですわ。」さる担ぎ手が言った言葉だが、なるほど、言い得て妙だ。

撮影させて頂いているのも、何かの「縁」に寄って、導かれている様な気がする。最初は、少しずつ挨拶しにいって、顔見知りが増えていき、今の様に撮影させて頂けるのは、凄く有り難い。

その積み重ねが、サイトに発表させて頂いている作品に現れている。居酒屋あんじさんや神輿バーでのお話も「縁」だと考えている。

今後も、そうした「縁」を信じ、大切にしながら、撮影していきたいと思う。

 

2006.11.23

撮影について

  

これも良く聞かれる事だが、「なんでこんな写 真が撮れるの?」
自分なりに撮ってきた積み重ねが、今の様な写真が撮れたと思うが、やはり自分なりに人の縁を大切にしてきたから、撮らせて貰ったという思いは大いにある。

人に声をかけて、撮らせて貰う事で、「神輿を撮影している」と相手に分かって貰える。神輿を担いでいるのは、勿論人間なので、その人間を無視しては撮影出来ない。失礼な事も出来ない。また神様が乗っているのだから、失礼な撮り方も出来ない。

テクニックは大して無いと思う。神輿に出来るだけ付いて行き、その瞬間を撮っている。 全てを狙って撮っているかと言われれば、そうでもない。但し、差し上げ等、重要な場面 ははずさない様にしている。それは、神輿を撮っていくうちに身に付いた慣れみたいな物かもしれない。

あとは……やはり一歩ひいた視点より、担ぎ手に近い視点で見ているからだろうか。幸い、ここ数年で、多くの担ぎ手と知り合い事が出来た。

僕よりもうまい写真を撮る人は大勢いるだろう。実際に人の作品を見て、感心する事は多い。でも、結局自分にしか撮れない写 真という物はあるのだから、これからも自分なりに撮っていくしかないだろう。

これからも、新しい視点を持ちつつ、神輿とそれに関わる人たちを撮り続けたい。

 

2006.12.13

祭との縁

  

祭を撮る時には、必ず担ぎ手さん達に挨拶する。またネット上から広がった知り合いも多い。祭を撮る為には、ただ「撮影」するだけではなく、そういう事も大切だと常々感じる。

そういえば、両親は二人とも、京都市内に実家があった。父親は平等寺(因幡薬師)の近くで、ちょっと歩いたら、祇園祭・保昌山の町内。小さな頃には、長刀鉾に上がった記憶がある。しかし、今や南観音山を撮らせて貰うとは夢にも思わなかった。

母親の実家は、二条城の南側にあった。神泉苑がお寺さんであり、ここも小さな頃に遊びに行った。神泉苑さんと言えば、祇園祭の山鉾が産まれたところでもあり、今も神輿が近くを通 る。そういった事からも、神輿や山鉾と決して無縁ではない。

また、父親の方のお寺さんは、昔烏丸錦小路東入ルにあった。今は移転して別 の場所にあるが、そのお寺があったところをまっすぐ行けば、錦市場。ここも今や自分にとって、決して無縁ではなくなった。

少しこじつけたところもあるが、小さな頃からの流れが、今神輿や山鉾を撮っている事に繋がって来たのかな……と、書きながら考える。


そして、最近では益々、担ぎ手や祭に関わっておられる方々と、ふとしたところで出会うようになった。もうこれは、神さんが導いてくれているのだと思う。その事を有り難く思いながら、来年も神輿や祭を撮っていこう。

 

2007.2.1

祭の時期を前にして

  

 さて、昨年は多くのお祭りに寄せて貰い、一緒に歩きながら撮影させて頂いた。本当に感謝している。写 真をお渡しする約束がなかなか出来ていないが、それは本当に申し訳ないと思う。徐々にではあるが、お渡ししていきたい。

 これを書いているのは日付通りであるが、もう松尾祭や稲荷祭も一ヶ月を切った。祭の時期が待ち遠しい僕はやはり祭にはまっているのだと思う。

 今年がどれだけ神輿を撮影出来るのかは定かでは無いが、自分の作品というばかりで無く、「京都の神輿」を自分の視点で、出来るだけ残していこう。そういう信念で撮影を続けていく。


 そして、今年は一昨年・昨年と撮り続けてきた同じ祭でも、もう寄せて頂いて3回目くらいになるのだから、よりいい写 真を残していこうと思う。


 今年、地元の神輿が数十年ぶりに出る。同級生達が中心となって、何年もかかってここまでこぎつけた。僕はその瞬間に立ち会える事に、凄く感謝している。自分が神輿を撮り続けた事が、同級生達との再会を産み、そして彼らが成し遂げた一つの区切りを撮影する事が出来る。
 自分が京都の神輿に魅力を感じ、撮り続ける事、同級生達が祭を創っていく事、それも本当に縁だと思う。

 祭に関して、知識不足も多く、その背景を知らないまま撮影している事も多いので、今後はそれを解消して行かなければならない。



 また、自分の撮影した写真は、祭に関わった方々に一層見て頂きたいと思う。

2007.2.15

写 真展

  

 前回のコラムの時は、本決まりでは無かった為、写 真展を開く事は書いていなかった。

 今回個展を開くきっかけは、知人二人と居酒屋で飲んでいた際、「写真展をやったらいいのに」という言葉を頂いた事だ。また、他の担ぎ手から、「写 真展やらんと撮った写真もったいないなあ」とか「写真展やらはったら?」とか、有り難い言葉を頂いた。

 他にも、諸事情によりこの時期に開く事を決めた。勿論、神輿が出ない時期だから、この時期に設定した事は、かなりのウェイトを占める。

 そして、ここで自分の撮影した祭写真を一度総括し、次へ繋げていく為に一度区切りを打つ意味合いでもある。区切りと言っても、撮影を止める訳では無い。あくまでも自分自身の気持ちの問題である。

 今回有り難い事に、各神輿会や担ぎ手さん、知人の店等のご協力で、広報活動をかなり手伝って頂いた。本当に有り難い事だと思う。祭はその時期の一瞬であり、普段はつきあいが薄くなる物であるが、それに反して、何かしら話したり、会ったりする方ばかりなので、ここで感謝を述べたいと思う。


 こうして書いているとあと三日で写真展が開催される。前のコラムにも書いたが、神輿や祭に関わっている方々にも、写 真を見て頂きたいと思う。ご都合のつく方に出来るだけ来て頂きたい。

 

2007.4.19

継続は力、なり。

  

 いよいよ松尾祭・おいでまで三日と迫ってきた。今年も郡によせて貰うので、今からワクワクしている。


  また、今年も色々な祭を撮影させて頂くと思いますので、よろしくお願いします。


  さて、神輿や祭を撮り続けて2年半、今年寄せて頂く予定のところは大体3年目となる。長いところでは4年目くらいになる。 昨年は本当に多くの祭に寄せて頂く事が出来た。本当に有り難い事である。


  このサイトをご覧になっている方の中に、撮影させて頂いた神輿会の方々もいらっしゃるので、改めて御礼を申し上げたい。


  今年も春は大体予定が決まった。大方昨年寄せて頂いたところばかりである。



  この2年余り、担ぎ手と一緒になって歩き、神輿や担ぎ手を撮影してきた。 今年も昨年と同じところを撮るだろう(とはいえ、昨年寄せて頂いたところが、今年も安易に撮れるとは考えていない)。

  自分が縁あって知り合った方々を出来る限り長く撮っていきたい、それが自分の撮影スタイルだと思っている。そういう意味では、担ぎ手に近い形で、撮影しているのかも知れない。

  「継続は力なり」


  出来る限り、同じところを撮っていき、それを残していく。 それが、自分自身に課せられた使命みたいなものだ。 ……そう考えている。(ミクシィの日記に書いた物を加筆・修正)

2008.1.5

写 真展を前に思う事。

  

 久々のコラムである。2008年も明けてもうお正月気分も薄らいで来た。  本年も昨年と同じ場所・同時期に写真展を開催する事になった。今回はDMの作成等広報活動がかなり先行している。肝心の展示写 真は、徐々にプリントを行う予定である。

 この時期に写真展をする理由は様々であるが、メインに撮影している担ぎ手さん達がシーズンオフ(自分もそうであるが)となるのが丁度この時期となる。  

  京都の神輿についてご存じ無い方に説明すると、京都の神輿は大体4月から6月頭にかけてが春祭り、7月の祇園祭を挟み、9月の頭から11月の頭までが秋祭りである。そして京都の神輿の特徴として、氏子さんだけではなく、各神輿会等から助っ人という形で互いの地元のお祭りに担ぎ手として参加している。このシステムというか状態となっている事で、大抵の担ぎ手は色んな祭で出会う訳である。前にも書いたと思うが「1000人くらいが回している世界」と誰かが例えた様に、担ぎ手同士が知り合いの知り合い……という風に狭い世界である。そして京都の町中で日頃担ぎ手に出会ったりする様に、京都はほんまに狭い。

 そういう事もあって、いつも撮影させて頂いている担ぎ手さん・お祭りに携わっておられる方々に是非とも見て頂きたい、そういう思いでこの時期にしている。

 今回の写真展のDMは結構色々なところに置かせて頂いた。居酒屋・酒屋・錫工芸店・理容店とこれまた祭絡みである。快諾して頂いた方々には本当に感謝したい。

 そして、地元でも結構配った。今朝(1月5日)も地元の神社へ行くと、掲示板にDMが拡大コピーして貼ってあった。当人としては恥ずかしい限りであるが、こういう心遣いは本当に有り難い。

 場所としては店の両壁面であるので15点程となるが、やはりこの数年神輿を撮影してきて、今まで注目されて来なかった(それでも長年撮り続けている先駆者はいらっしゃると思う)場面 (僕の写真の場合、人がアップになっている事も多い)を出そうかと思っている。

 差し上げの場面ばかりを展示してもいいと思うが(それでも今回差し上げの場面 は多く出している)、今回のサブタイトル「祭人達の肖像」通り、担ぎ手、祭の担い手達の表情が少しでもお見せ出来ればと思っている。色々な担い手の表情は後から見ていても本当に楽しい。

 ここ数年神輿を中心として撮影してきたが、本年は自分が写真で何が出来るか、を模索したいと考えている。

 春からも昨年とほぼ同じ祭(殆ど変更は無いと思う)を撮影する。それは少しずつの積み重ねのおかげだと思っている。そういった事で人の縁は本当に有り難い事である。